去る9月24日、着付け技能検定1級の実技試験を受けました。
着付技能検定は厚生労働大臣が認可する技能士の国家試験です。
この資格がなくても十分に着付け師、着付け講師の仕事はできますが、
一定の技術力を持つ目安となるため、ステップアップを兼ねて受検しました。
この日は大阪会場の初日。試験の2日前に20歳になったばかりの娘をモデルとして同伴し(1級はモデルに振袖着付けです)会場の「グランキューブ大阪」へ向かいました。昨年は1級と2級両方同会場でしたが、今年は36名全員1級でした(2級の方は午後にいらしていました)
会場に入ったらすぐに衣装敷を用意し受験票を区割りの番号札のすぐ横に床置きします。
衣装箱の上にお道具を置くだけでなく、持ち物点検に向けて見やすいように広げてどんどん並べます。
スマホが鳴ったら失格なので、電源を切るか前のスマホ置き場に置きます。風呂敷やバッグ、靴等は壁際に置き、壁からはソックスで歩いて戻ります。検定員の方も、点検の時には靴、草履を脱いでおられました。
座って待つ時間が多ので「正座しなくていいです、楽にしてください」と盛んに言われ、膝が悪い人にはイスも用意されます。途中で気分が悪くなったモデルさんは倒れるまで我慢せず手を挙げるように指示されました。
10時30分になると10名の検定員の方が入ってこられ主席検定員の方の説明があります。
その後、点検のための並べる時間(5分)→持参品点検です。5名一組の検定員の方が着物を中心に規定通りか、1点ずつ確認します。
規定外の場合この場ですぐに失格、退場となり緊張の瞬間です。
・使いかけのコットンを持参し加工とみなされて注意
・仮留めしていた糸をほどくように注意
・クリップの目盛りがマスキングテープで隠れ切っていなくて注意
など指摘されていました。
その後はモデルの着替え時間(10分)と、補正がされていないか検定員によるモデルのボディチェック。
肌着の上に羽織った浴衣の前を開けて、実際に触って確認します。その次は持参品を着付けしやすいように並び替えの時間があり、やっと着付け試験に入ります。
着付の試験は補正と長襦袢で15分。
ここで一旦採点があります。前の襟合わせと後ろの背中心、シワを見ている感じでした。
その後25分間の着物と帯の試験。
検定員の方がいつ周ってこられているのか気付かない程自分のことに集中して着付けしていました。(周りをみて動揺したくなかったのも本心)モデルの娘に聞くと、かなりの頻度で来て前も横も見ていたとのこと。
順調にできましたが、最後帯の形を整える時にアドレナリンが出ていたためかいつもより勢いよく引いてしまったようで、いつも小さめの右側の羽根が予想外に飛び出してしまいものすごく焦りました。羽根の根元を少し箱ひだにシレッと押し入れてみたり、羽根を背中側に丸くして小さく見えるようにしてみましたが、結果的には右だけ肩から少しはみ出してしまいました。。。
ものさしで計測される衿巾、おはしょり、垂れは何度も指で整えながら長さをチェック。
残り3分で草履を履かせて、前も後ろも上から順にチェックしました。
…としているうちにあっという間に終了時間。
受検者は会場外に速やかに移動します。
採点で会場外に出ている間の気持ちは、
「あっという間だった!やりきった!楽しかった!協力してくださった皆さんありがとう!」など爽快な気持ちが7割、「あそこがだめだったかも…」とグルグルと考えて反省が3割でした。
会場内の採点は、衿幅、おはしょり幅、垂れの長さをものさしで測る検定員2名と、個々に360度採点する検定員が4名いらしたそうです。会場を歩く時間もあり、ちゃんと歩ける着付けなのか確認されるようです。
採点が終わった後会場内へ戻ると写真撮影は会場外ですること、12時40分までに片付けて退出するように指示がありました。
着付の写真は今見るとアラが見えて冷や汗モノですが…
薄目かつ温かい目でさらっとご覧ください。
ここからは私個人の想いですが、当日は手がどんどん動いてスムーズにできたこともあれば、逆に台本通りではない動きになったことなど反省点もあります。ともあれ、この日に向けて全力で練習してきた経験は宝物です。毎日着せては畳み、着せてはまた畳み…と着付けに真摯に取り組み、後悔なくやり切れて良かったです。
自分一人では決してこの場所には立てませんでした。検定は本人、モデル、指導してくださる先生、応援してくれる家族とのチーム戦と感じました。
感謝の気持ちを胸にこれからも勉強し続けていきたいと思います。
学んだ内容はすぐにお教室のレッスンでも生かしていきます。
グレードアップした内容でお待ちしています♡
Comments